栗山米菓が挑む物流改革の成果
新潟県新潟市に本社を置く株式会社栗山米菓は、米菓ブランドの代表格「ばかうけ」を製造・販売しています。近年、物流業界では2024年問題が深刻化しており、同社もこの課題に対応するべく、2023年11月から物流改革に取り組んできました。この取り組みの結果、具体的な成果が得られ、業界内での地位をさらに確立することを目指しています。
物流改革の背景
物流業界の2024年問題は、トラックドライバーの時間外労働の上限規制がもたらす構造的な課題となっています。これにより、輸送能力の低下や人手不足が深刻になることが懸念されています。また、近年の天候不順や繁忙期におけるトラック不足が顕在化し、経営課題としての認識が高まりました。これを受けて、菓子業界全体が協力し、改善策を講じる動きが加速しました。
主な取り組みと成果
栗山米菓では、以下のような具体的な施策を実施し、改善に取り組んできました。
1. 荷姿のパレット化
これまでのバラ積みからパレット積みへの移行を進め、現在幹線便の60%がパレット化されています。パレット積みによる効率化は、荷物の一括運搬が可能となり、手作業による負担が軽減されました。今後、パレット化率を80%にアップさせることを目指しています。
2. 荷待ち時間の短縮
荷待ち・荷役時間を従来の3時間から平均1時間に短縮することに成功しました。これは、積み下ろし場所の予約システムを導入し、効率的な作業環境を整備した結果です。今後は、更なる時間短縮に努め、基準である2時間以内の達成を目指します。
3. 賞味期限表示の年月化
流通業界の効率化と食品ロス削減を図るため、賞味期限の年月表示に移行しています。2025年6月には、出荷量の51%が年月表示品に移行予定です。これにより、流通段階での在庫管理が容易になり、作業効率が向上します。
4. 地域との連携
栗山米菓は、新潟県内の他の菓子メーカーとの共同研究会「新潟菓子メーカー物流研究会」にも参加しています。業界全体の効率化を図り、共同配送の事例を増加させることで、地域企業との連携も強化しています。
今後の展望
2024年問題への対策を進める中で、同社は物流改革の深化と地域企業との連携を重要視し、目標達成に向けて努力を続けます。次世代の物流環境に対応するためには、現在の取組みをさらに進化させ、全社一丸となって改善策を実施する必要があります。
まとめ
栗山米菓の物流改革は、効率化の実現のみならず、地域社会との協力や持続的な成長を実現するための重要なステップです。今後の展望に期待が寄せられる中、引き続き新たな挑戦を続けていくことでしょう。