6,000万人時代の課題
2025-09-30 08:29:38

訪日観光6,000万人時代への第一歩 CCCJ WEEK 2025 インバウンド分科会リポート

訪日観光6,000万人時代への第一歩 CCCJ WEEK 2025 インバウンド分科会レポート



2025年9月9日、東京のベルサール日本橋で行われた「CCCJ WEEK 2025 インバウンド分科会」では、訪日観光客の増加に伴う課題と解決策が熱く議論されました。主催者は一般社団法人 日本中華總商会(CCCJ)で、インタセクト・コミュニケーションズ株式会社が運営サポートを担当しました。

訪日観光は現在、かつてない速度で成長しています。日本政府観光局(JNTO)によると、2025年1月から7月の訪日客数は2495万人と過去最高の数字です。しかし、この急増はオーバーツーリズムを引き起こし、地域によっては受入れに苦慮する声も上がっています。

本分科会では、訪日需要の増大に伴う課題を解決するため、参加した各業界のキープレイヤーが現場の知見を持ち寄り、解決への道筋を模索しました。登壇者の発言をもとに、主要な論点を以下に整理します。

講演1: グレーターなんばのまちづくり


南海電気鉄道の寺田成部長は、140年の歴史を持つ企業が抱える人口減少や定期券収入の減少について言及。2031年には新たに運行を開始するなにわ筋新線によって、「なんば」のターミナル機能の価値が変わる可能性を指摘し、地域全体の価値創出へと転換する必要性を説きました。

なんばエリアの強み


寺田氏は食文化やエンターテイメント、観光資源の豊かさを強調し、江戸時代から続く歴史的レイヤーを訪れる人々に楽しんでもらうための回遊性の向上を目指すと発表しました。観光客だけでなく、欧米や豪州の富裕層、ファミリー世代もターゲットに据える計画を明らかにしました。

講演2: 多様化するインバウンドの今後の戦略


阪急阪神百貨店の白井康之ゼネラルマネージャーは、インバウンド専門の部門を設立して以来の活動や成功事例を紹介。2019年にはWeChat Payを導入し、コロナ禍の中でも売上回復を果たしました。彼は、訪日客を「観光客」ではなく「顧客」として捉え、持続的な関係を築く重要性を強調しました。

パネルディスカッション: 課題の共有と提案


本セッションでは、登壇者たちが共有した意見の中からいくつかの共通する課題が浮かび上がりました。東京や大阪、京都に観光客が集中している現状をどう打開するか、交通機関のキャパシティ不足や多国語対応の遅れ、住民との合意形成の難しさが主な問題として取りあげられました。

特に、南海電鉄の寺田氏は観光資源の分散化と観光客の生活環境の整備が必要だと主張。阪急阪神百貨店の白井氏は、地域の工芸と食文化を磨くことが重要であると指摘しました。

パネルディスカッションの締めくくりでは、訪日観光6,000万人を実現するためには「分散戦略」「交通連携」「受入れDX」「住民合意」の4つの柱が必要であると確認されました。これらの戦略を通じて、各業界が連携し、地域の受入れ環境を整備していくことが呼びかけられました。

今後の取り組み


インタセクト・コミュニケーションズは、分科会で明らかになった課題を基に、受入れ環境の整備や広域回遊の設計を進めていきます。観光DXを主軸にしつつ、訪日客の体験価値を向上させることで、地域経済の持続可能な成長を目指します。

このように、CCCJ WEEK 2025 インバウンド分科会では、訪日観光の未来に向けた重要な議論が行われました。各業界の持続可能な発展が、6000万人時代の実現へと繋がることでしょう。


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