高齢化が進む日本における遺産相続の実態
株式会社バリューファーストが運営する「ゼニエモン」は、2025年の課題である大相続時代に向けた実態を明らかにするため、20代以上の男女400名を対象に遺産相続に関するアンケートを実施しました。調査結果は、遺産相続の現状とその背景についての重要な洞察を提供しています。
調査概要
この調査は、2025年9月1日から15日まで行われ、有効回答数は400件にのぼりました。調査対象はクラウドワークスに登録している20代以上の男女であり、インターネットを通じて実施されました。
高齢化社会における相続意識
アンケート結果によると、回答者の50.75%が遺産相続について検討していると回答しました。特に興味深いのは、既に相続を終えた方がわずか7%であることから、多くの人が実際に事が起こるまで意識しない傾向にあることが読み取れます。一方で、「相続を遺す側」として検討している人はわずか5%と、より低い関心が示されています。これは、多くの人が自分事として考えるようになるのは、実際の相続が発生した時であるということを意味しています。
相続を考えるきっかけ
「相続を検討しようと思ったきっかけ」について尋ねると、最も多かった回答は「親の高齢化や健康状態の悪化」に関するもので、151件の票を集めました。次いで「親族の死亡」が85件あり、これらの結果からは、突然の出来事が人々を相続について考えさせる大きな要因となっていることが浮かび上がります。しかも、事前の準備ではなく、意外性のあるトラブルをきっかけに検討を始めるケースが多いようです。特に、自身や両親が65歳を過ぎると、相続を意識するタイミングが重要視されています。
遺産相続における負の遺産
相続でも特に避けたいものは「誰も住んでいない空き家」で、多くの方が209件の回答を寄せました。空き家は維持管理にかかる費用や自身が住む可能性が低いため、負の遺産と捉えられがちです。このような空き家は、相続を受ける側にとって手間や負担が大きく、今後の展望が描きにくいことから敬遠される要因となっています。
相続税に関する不安
相続税などの税金負担を不安に感じているとした回答者は118件に上り、相続自体が金銭的な負担と捉えられる傾向が明確です。手続きの複雑さや親族間でのトラブルも心配され、遺産相続は金銭面だけでなく人間関係にも深く関わる問題であることがわかります。
相続トラブルの実態
相続トラブルを経験したと回答したのは4.75%で、割合としては少ないものの、重要な参考データとなります。実際のトラブル例としては、家族間での相続の取り分を巡る争いなどがあり、こうした問題は事前の話し合いや遺言書の作成が重要です。
まとめ
今回の調査から、遺産相続に対する意識の低さ、予期せぬトラブル、子どもたちの負担など、多くの課題が浮かび上がっています。特に日本では生前に遺言書を用意する文化が浸透していないため、遺族が急に手続きを行うことが多くなっています。相続に関して不安や疑問がある方々は、専門家のアドバイスを受けながら準備を進めることが大切です。ゼニエモンでは、今後もこのテーマに関する情報を提供していきます。