三条市立大学とコメリが共同開催した産学連携実習II
新潟県三条市。この地域は、日本のものづくり文化が息づく場所として知られていますが、その中で特に注目を集めているのが「三条市立大学」です。2021年に設立されたこの大学では、地域の企業と連携した教育プログラムの一環として、産学連携実習が行われています。その中でも注目の催しが、株式会社コメリとの連携による「産学連携実習II」です。
コメリが誇る地域貢献と実習の意義
株式会社コメリは、地域に密着したホームセンターを展開し、地域のライフラインとしての役割を果たしています。彼らは「地域の日々を、明るくしていきたい」という理念のもと、地域社会の発展に寄与しています。このたび、三条市立大学の産学連携実習IIに協力することで、実学的な学びを通じて、地域社会の発展に貢献する新たなモデルを確立しました。
2022年からスタートした産学連携実習Iに続き、2024年には産学連携実習IIに本格的に参加。約4カ月間の実習では、流通業や小売業に関するさまざまな業務を実体験することができます。実習の最終日には、学生たちが成果を発表し、自らの成長を実感する場となりました。
学生たちの実習体験と成長
実習に参加した学生たちは、実践的ななかで多くの貴重な経験を得ました。工学部の深澤さんは、「市場分析や小売業に関する専門知識を学び、商品企画から販売までのプロセスを理解しました」と語り、多角的な視点を身につけることの重要性を強調しました。さらに、チームワークや柔軟性を育み、物事を多面的に考える力を養うことができたと感じています。
同じく工学部の齊藤さんも、自身の体験を振り返り、「商品の素晴らしさは協力なしには生まれないと実感しました。一つの商品が生まれるまでには、多くの部署が協力し合っていることがわかりました」と述べました。このような実習を通じて、学生たちは業界のリアルな現場を目の当たりにし、将来に対する視野を広げることができました。
具体的な実習内容と学び
店舗実習
実習の一環として、店舗見学や比類分析を行い、実際の業務を体験しました。品出しや棚割りの補助を行う中で、小売業の基盤を支える仕組みを実感しました。
DX部実習
デジタルトランスフォーメーションに関連した業務改善策も学び、実際の作業を通じて問題点を洗い出し、改善提案を行う機会が設けられました。
商品部実習
商品に関する知識を深めながら、商品構成グラフや棚割りデータの作成を行い、商談の流れを捉える実践的な学びを体験しました。
商品開発部実習
スマホスタンドの開発を通じて、商品企画や市場調査、実際の物を形にするプロセスを実感しました。3Dプリンタを使って仕様通りの製品を形作り、パッケージングの重要性も学びました。
品質管理部実習
品質管理の基準や法令を学ぶ中で、実際の店舗を見学し、検品プロセスについて知識を深めました。これにより、品質を維持するための努力や重要性を認識しました。
今後の展望
三条市立大学と株式会社コメリの取り組みは、地域社会における効率的な人材育成の一環として、高く評価されています。このような産学連携のスタイルは、今後も地域に新たな知識と技術をもたらし、学生たちが実践を通じて成長する場として重要な役割を果たすことでしょう。地域の企業と大学の連携は、今後ますます深化し、さらなるイノベーションを生むことが期待されています。