新潟発！親子式ウネカルが農業の課題を解決する羅針盤に

農業界の新たな挑戦、親子式ウネカルとは

新潟県長岡市に本社を構える株式会社FieldWorksは、農業の新たな未来を切り拓くべく開発した「親子式ウネカル」が令和6年度補正予算に採択され、その技術が農林水産省の認定を受けたことを発表しました。このプロジェクトは、農業の省力化と持続可能な生産体制の構築を目指すものであり、今後の実証実験に期待が寄せられています。

親子式ウネカルのメカニズム

「親子式ウネカル」は、その名の通り親機と子機が連携して動作する草刈りロボットです。このシステムは、完全自動化を目指しており、農業現場での労働を大きく軽減することが期待されています。具体的には、除草剤の散布や防除作業も同時に処理でき、夜間に運用することができるため、作業の効率化や安全性向上が図られています。また、複数台の運用が可能で、低コスト化も目指されています。

日本農業の現状と課題

近年、日本の農業は深刻な人手不足に直面しています。農業に従事する人々の平均年齢は67歳となり、農林水産省の統計によれば、この20年間で就業人口は半減しました。特に除草作業は、農業に必要な労働時間の約20%を占め、農家にとって大きな負担となっています。年間40〜90時間もの除草労働が必要とされ、特に夏場の高温下での作業は、身体的な疲労や事故リスクを高める要因となっています。

親子式ウネカルの社会的意義

「親子式ウネカル」は、こうした現場の課題を解決するために開発されたロボットです。作業時間を従来の80%以上削減し、1時間あたり500〜800㎡の処理を目指しています。さらに、除草剤の使用量を減らすことで北環境負荷を抑え、有機農業の支持にも貢献します。この技術が普及すれば、農家にとって身体的な負担が軽減され、作業の安全性が高まることになります。地域密着型の新たなビジネスモデルの確立も視野に入れており、地域サービス業者との連携も進められています。

広がる市場性と供給体制

「親子式ウネカル」は、キャベツやネギ、ブロッコリーなど、様々な野菜の圃場に適応できる汎用設計が特徴です。将来的には5種類以上の作物圃場での自律除草を実現し、迅速な普及が期待されています。供給体制については、FieldWorks独自の販売網やSNSを通じた販売、ならびに農機具代理店を介した広範なネットワークを構築し、強固な基盤を築いています。

未来へ向けての展望

実証試験の全国展開や農家及び自治体、JA、大学との連携強化を図る中で、親子式完全自動化モデルの開発や量産体制の構築が期待されています。2027年には量産モデルの提供を開始し、2030年には年間300台の供給体制を確立する見通しです。これは新潟県のみならず、全国の農業にとっても大きな可能性をもたらすことでしょう。

代表のコメント

株式会社FieldWorksの代表取締役社長、山岸開氏は、「農家の皆さまが日々の重労働から解放され、安心して持続可能な農業を続けられる未来を目指す挑戦を続けています。現場の声を大切にし、実用性の高い技術を形にしていきたい」と述べました。農業の未来を明るく照らす「親子式ウネカル」が、どのように日本の農業界に革命をもたらすのか、その行方に注目です。