新潟・津南醸造が文化交流でめざす日本酒の未来と地域の魅力
新潟県中魚沼郡津南町に本社を構える津南醸造株式会社は、2025年1月下旬に、ギリシャから2名の研修生を迎え入れ、日本酒造りを通じた国際文化交流を実施しました。この取り組みは、酒ソムリエ協会が推進する「日本酒の文化的価値を正しく世界に伝える人材育成」の一環として行われ、研修生は日本酒の製造技術や津南の自然環境、地域文化を体験しました。
文化を紡ぐ酒造り
研修に参加したのは、ギリシャのレストラン業に携わるジョージ・カラブズキス氏とコスマス・ヤヌリス氏の2名です。彼らは、日本酒が単なる飲み物ではなく、土地の自然や人々の営みと結びついている「文化そのもの」であることを肝に銘じました。
実際の体験から学ぶ
カラブズキス氏は、実際に蒸米や櫂入れといった酒造りのプロセスに参加することで、文献や知識だけでは得られない深い理解を得ることができたと語っています。彼の言葉には、日本酒が持つ可能性を現地スタッフやギリシャのお客様に正確に伝えていきたいという強い意志が表れています。
一方、ヤヌリス氏は、日本国内で日本酒がどのように扱われているのかという側面にも意識を向けており、その体験を通じて日本酒の魅力を広める気持ちを込めています。
津南の自然が育む酒の質
津南町は、日本有数の豪雪地帯で、冬には3メートルを超える雪が降り、その低温環境と清冽な湧水が日本酒造りには欠かせない存在です。この自然環境がどのように酒質に影響を与えるのかを、研修生は身をもって学びました。地域に根ざした酒造りの重要性を理解する過程は、彼らにとって貴重な体験となったことでしょう。
地域との交流による学び
研修中は、地元小学校と交流する機会もあり、文化の違いについて話し合いました。子供たちとの対話を通じて、彼らにとっての津南とギリシャの違いを理解する良い機会となり、代表取締役の鈴木健吾氏は、子供たちが自国をどう見られているのかを知ることが未来の創造に寄与すると強調しました。
テロワールの活用と未来の展望
津南町役場での副町長との対談では、津南地域の特性である「テロワール」に関する意見交換が行われ、津南醸造の未来を見据えた戦略的な取り組みが大きな期待を寄せられました。地域の伝統を生かしながら新たな挑戦を続ける津南醸造の姿勢は、グローバル展開への大きなステップとなるでしょう。
ギリシャ市場へのアプローチ
津南醸造がこれから注力したいのは、ギリシャでの「テーブルライス日本酒」の展開です。「GO GRANDCLASS」というブランドは、特に注目されており、研修生たちにその本質を理解してもらう機会を持っていただきました。鈴木氏は、彼らが帰国後にこの経験を活かして日本酒の楽しみ方を広めてくれることを期待しています。
おわりに
津南醸造では、単なる「輸出」ではなく、日本酒を通じて新しい文化の交換が生まれることを目指しています。これからも津南の魅力と日本酒の素晴らしさを多国籍な方々に伝え、持続的な文化交流を進めていくことでしょう。