大建工業が発表した防カビ仕様のロックウール吸音板『ダイロートン』
大建工業株式会社は、医療機関やオフィス、商業施設など、非住宅市場向けのロックウール吸音板『ダイロートン』を防カビ仕様に改良し、2023年6月23日に新たに販売開始しました。この新製品は、特にカビの発生が懸念される環境での使用を考慮して設計されており、衛生的で快適な空間の維持に大きく貢献します。
防カビ仕様の背景
近年、病院やクリニック、オフィスなどでは人々の健康や快適性を考慮した空間作りが求められています。これらの施設では湿度管理が重要であり、多くの場所で加湿器が導入されています。しかし、空調設備の熱気や換気不足により、湿度の高い場所ができやすく、そこではカビが発生しやすい環境が形成されています。
そのため、定期的なメンテナンスが必要となり、張り替えや塗装にかかる手間とコストが問題視されています。そこで、大建工業はカビの発育を抑える防カビ性能を持った『ダイロートン』を開発し、これまで以上に家庭や施設で利用しやすい製品に進化させました。
主要な特長
1. 防カビ性能
『ダイロートン』の表面には特殊な薬剤が使用されており、カビの菌糸に作用してその分裂を阻害します。これにより、カビの増殖を効果的に防止できる仕組みです。試験においては、平板培地上に接種されたカビの発育を観察し、防カビ性能が確認されています。なお、特定のカビに対しての試験結果であり、すべてのカビに対して同様の効果が得られるわけではありません。
2. 快適な音環境の提供
吸音性能にも優れた『ダイロートン』は、数多くの吸音穴を備えており、残響音を抑制することで、人々が快適に会話できる音環境を実現します。これにより、特に医療機関や教育施設において、声の聞き取りやすさが向上します。
3. 防火性能と安全性
この製品は国土交通大臣認定の不燃材であり、万が一の火災でも安全です。有毒ガスの発生も抑えられ、安心して使用できる素材となっています。特に商業施設や公共機関において、この安全性は大きな利点でしょう。
4. 省エネ効果
『ダイロートン』は従来の塩ビクロス張りの石膏ボードに比べ、約5倍の断熱性能を誇ります。これにより、室内外の熱の移動を抑え、冷暖房の効果を維持することができ、省エネに寄与します。実際、暖房時には天井からの熱損失が約20%とされており、そのロスを減少させることが期待されています。
目標と展望
大建工業は、このリニューアル版『ダイロートン』に対し、2025年度までに20億円という販売目標を掲げています。今後も非住宅向けの空間作りを推進し、安全で快適な空間の提供に努めてまいります。
【問い合わせ先】
詳しい情報は、大建工業株式会社のお客様センター0120-787-505までお問い合わせください。