オーエムネットワークが挑戦するDXの新時代とその影響
新潟市に本社を構えるオーエムネットワーク株式会社は、企業が直面する人手不足、法改正、そしてAI時代における課題を克服するため、「XDB(Extreme Dimensional Brain)」という自社開発のシステムを導入しています。この取り組みは、業務改革の基盤を成し、省力化および法令遵守を一体で推進するものです。
社会背景と挑戦する意義
日本国内では人手不足の深刻さが増しており、企業の多くが生産性向上に迫られています。特に、2023年10月に施行されたインボイス制度や電子取引データ保存の義務化は、企業にとって大きな負担となっています。オーエムネットワークは、このような状況においても生産性を向上させるため、新人とベテラン社員が連携し、内製プラットフォーム「XDB」を共同で開発しました。
XDBとは何か
「XDB」は、部門を超えて散在するデータや規則、ワークフロー、外部連携を一つに統合するシステムです。特に請求業務においては、自動判定機能やチェックリストの自動生成などを実現しており、業務の中枢として機能しています。実際に、請求処理回数は月4回から2回に減少し、処理時間も平均2時間短縮されるなど、驚異的な成果を出しています。
“守れるDX”の実現
XDBの設計理念は「守れるDX」であり、コンプライアンスの確保と効率化を追求しています。以下の4つの要素が、今後のビジネス運営において重要な役割を果たします。
1.
人手不足の構造化:退職者が増加する中で、業務の省力化は不可欠。
2.
法対応の複雑化:電子取引データ保存の義務化に対応するための適切な運用設計が必要。
3.
インボイス対応:制度変更に備えて柔軟なデータ構造を設計。
4.
AIガバナンスの本格化:組織体制の整備とログ管理が求められています。
開発の現場ストーリー
開発チームは、世代間の交流を通じて新たな価値を生み出しています。この取り組みの中で、ベテラン社員は長年の経験を基に、業務の標準化に向けた知見を共有しています。一方で、新人社員の柔軟な発想は、固定概念にとらわれず斬新な改善案をプロセスに取り入れることに力を発揮しています。これにより、チーム内の協力関係が強化され、継続的なイノベーションを実現しています。
次なる挑戦:データで語れる経営へ
XDBの次のフェーズでは、売上管理をリアルタイム化する計画が進行中です。シフト管理システム「R-Shift」を用いて、見積もりや予算、実績などの情報を一元管理し、経営判断を感覚からデータに基づいたものに進化させることを目指しています。この共有されたデータに基づき、経営層と現場間での共通言語を作り、迅速な意思決定を促します。
会社概要と今後の展望
オーエムネットワーク株式会社は、現場実装型DXをテーマに、業務システムの開発および運用支援を手掛けています。彼らの開発した「XDB」によって得た知見を生かし、企業のニーズに合わせたDX実装を推進することで、持続可能な生産性向上モデルを地方から広げていく予定です。オーエムネットワークの取り組みは、地方経済の活性化にも寄与するでしょう。これからの進展に目が離せません。