新しい「涙目シール」の展開が示す食品ロス削減の未来
株式会社ファミリーマートが行っている食品ロス削減の取り組みが、進化を遂げています。このたび、新たに「涙目シール」のデザインが4種類加わり、さらにフリー素材としても提供されることが決まりました。2025年10月22日から、新たなイラストが公式ウェブサイトで公開され、さまざまな店舗で活用できることを目指しています。
「涙目シール」とは?
「涙目シール」は、ファミリーマートが食品ロスを減らすための取り組みとして、値下げ商品に貼られるシールです。単に価格を下げるだけでなく、「助けてください」というメッセージと共に「涙目」のキャラクターが描かれており、お客様に共感を呼び起こす工夫がされています。このシールを通じて、お客様の心に響き、一緒に食品ロス削減を進めようとする試みが評価されています。
2024年に行われた実証実験では、従来のシールに比べ購入率が向上し、年間で約3,000トンの食品ロス削減につながる可能性があることが示されました。「値下商品の購入は恥ずかしい」という心理的ハードルを下げることができたことで、より多くの人が値下げ商品を手に取るようになったのです。
全国展開とその成果
全国に展開された「涙目シール」は、2025年4月に都内の10店舗での検証結果によると、購入率が約4ポイント向上しました。一部の店舗では10ポイント以上の増加が見られるなど、好調な結果を生み出しています。また、「値下げ額だけが表示されるシールより使いやすい」との声もあり、これがさらなる販売促進につながっていると分析されています。
廃棄量も前年比で約5%削減されており、他の施策と組み合わせることで、実質的な食品ロス削減が実現されつつあります。
フリー素材化の背景と目的
新たに発表された「涙目シール」のイラストがフリー素材として提供されることで、業種や業態を問わず、さまざまな企業や団体が食品ロス削減の取り組みに参加できるようになります。新たに追加されたイラストは、パン、肉、魚、ケーキの4種類です。これは、より多くの販売店がこの趣旨に賛同し、実践するきっかけを提供するためのものです。
公式ウェブサイトのサステナビリティページから無料でダウンロード可能となるため、ぜひ皆さんに活用してもらいたいです。飲食店や小売店、自治体などとの協力を進めることで、誰でも気軽に参加できる食品ロス削減の仕組みを広げていくことを狙っています。
ファミリーマートのビジョン
ファミリーマートは、環境に対する中長期的な目標「ファミマecoビジョン2050」を掲げています。この中で、食品ロス削減は重要なテーマの一つとして取り組んでおり、2030年までに50%、2050年までに80%の削減を目指しています。今後も、新しい取り組みに挑戦し続け、持続可能な社会の実現に貢献していくことでしょう。
まとめ
新しい「涙目シール」の導入とそのフリー素材化は、地域や社会全体での食品ロス削減の取り組みを加速させる新たな一歩です。ファミリーマートは、これからも「あなたと、コンビニ、ファミリーマート」の理念のもと、地域と共に成長し、食品ロス削減に向けた活動を力強く続けていくことでしょう。