新潟発の農業革新『バニラ×キャビア』共同実証開始
新潟県長岡市に本社を置く株式会社プラントフォームが、国内外で発電事業を展開する電源開発株式会社(Jパワー)と手を組んで、世界初となるアクアポニックス手法を用いたバニラの栽培プロジェクトを始動しました。この実証実験は、養殖と水耕栽培を同時に行う循環型農業の革新を目指しています。
アクアポニックスとは?
アクアポニックスは風変わりな食料生産システムで、養殖のために使用する水を最小限に抑えつつ、排水を肥料として利用する方法です。養殖している魚の排泄物を水中のバクテリアが分解し、方法の一環として植物を育てるための肥料に変貌させます。使用した水は再利用され、循環型の栽培が実現されるのが大きな特徴です。
プラントフォームの長岡プラントでは、すでに6年間にわたり水の交換なしで運用を続けており、水使用の削減率は90%を超えています。この技術は、地球環境に優しい持続可能な農業を具現化するものと言えるでしょう。
バニラ栽培の背景
バニラは、主にマダガスカルやインドネシアなどの熱帯地域で栽培されているにもかかわらず、近年の気候変動や需要の高まりによって、国際的な取引価格は急騰しています。実際、銀よりも高価な商品になっているのが現状です。しかし、バニラの生産過程には多くの時間を要するため、生産効率の悪さが問題視されていました。花を咲かせるのに最長3年、さらに香りを引き出すためのキュアリングには1年を要するため、生産体制の効率的な改善が求められてきました。
画期的な栽培システムの開発へ
今回の共同実証では、プラントフォームが保有する特許技術を駆使して、バニラの開花期間を短縮し、開花数を増加させることを狙いとしています。この成果が実現すれば、長時間を要する従来の生産方式から脱却し、生産性の向上が期待されるのです。また、Jパワーのノウハウを活用しながら、カーボンニュートラルに配慮した新たな栽培システムの開発にも挑戦することを目指しています。
プロジェクトのスケジュール
本実証プロジェクトは、今後数年にわたり進められ、具体的なスケジュールが今後発表される予定です。試験プラントの設置や運用に関する詳細な計画も期待されています。
Jパワーとプラントフォームの企業概要
Jパワーは、1952年の創業以来、持続可能なエネルギーの提供を使命とし、さまざまな発電事業に取り組んできました。その経験を生かし、アクアポニックスという新たな技術との融合を進めています。一方、プラントフォームは国内で初めて植物工場型アクアポニックスシステムの開発と運営に成功した企業で、持続可能な食料生産を目指して全国に展開しています。彼らのブランド『FISH VEGGIES』は、安心・安全な食材を提供し、有機野菜を選ぶ選択肢を広げています。
まとめ
新潟から世界へと広がるこのプロジェクトは、持続可能な農業の新たな可能性を切り開くものです。未来の食糧供給の新しい形がここから生まれることに期待が高まります。今後の動向に注目しましょう。