新潟の建築遺産「斜めの家」に宿泊体験！渡邊洋治の設計を学ぶ

新潟県の貴重な建築遺産「斜めの家」

新潟県上越市で、異彩を放つ建築家・渡邊洋治の最晩年の作品「斜めの家」に宿泊できる貴重な体験が始まります。この住宅は1976年に完成し、彼の独特な設計理念が色濃く反映された作品として知られています。渡邊は新宿の「軍艦マンション」で名を馳せた建築家ですが、故郷である上越市でのこの作品は、彼の思想と地元の風土が交差する重要な遺作です。

「斜めの家」は、その特徴的な傾きにより、外観がまるで宙に浮いているように見えます。建築の専門家や愛好者にとって、この場所は訪れる価値があるとされています。この建物は設計当初の姿を保ちながらも、2013年からは地域のボランティア団体「ナナメの会」の協力により、時折見学会が開催されています。

2023年、渡邊の誕生100周年を記念して、ナナメの会は「斜めの家」の保存と活用を目指したクラウドファンディングを実施。これにより、施設の修繕が行われ、2025年3月から宿泊体験の受け付けが開始される予定です。宿泊者は、斜めの家の内部を体感できるだけでなく、関連資料や設計図などを用いて渡邊の思想について学ぶことができます。

検討する理由

地域の風土と渡邊洋治の理念

渡邊の設計は、かつて「裏日本」と呼ばれた地域の風土に深く根ざしたもので、その理解なしには「斜めの家」の本質を把握することは難しいです。上越市の自然や文化を知り、彼の作品の背景を理解することで、訪問する人々は新たな視点を得ることができるでしょう。この特異な住宅に宿泊することで、ただの観光地訪問から一歩進み、地域に浸透した文化や歴史を感じることができます。

宿泊体験の詳細

宿泊施設内には、渡邊の設計図集や過去のクラウドファンディングで制作された関連資料が常設展示されており、訪問者はこれらを通じて彼のデザイン哲学をより深く学ぶことができます。さらに、スロープ空間や階段の無い設計は、住む人々にとってユニークな体験を提供します。

また、宿泊のついでに近隣の糸魚川市に足を運ぶこともおすすめです。糸魚川市には、渡邊の初期の作品である「善導寺」や、他の著名な建築家が手掛けた美術館もあります。これらを巡ることで、新潟の建築を幅広く体感することができるでしょう。