セブン-イレブンが自動運転トラックを活用し、長距離輸送の実証実験を開始

セブン-イレブン、業界初の自動運転トラック実証実験を開始

株式会社セブン-イレブン・ジャパン（以下、SEJ）は、三井物産流通グループ株式会社（MRG）および株式会社T2と共同で、業界初となる自動運転トラックを活用した長距離輸送の実証実験を始めることを発表しました。この取り組みは、関東から関西までの高速道路区間を対象に行われ、様々な効率化および環境配慮を目的としています。

自動運転トラックとバイオ燃料の導入

今回の実証実験では、地域で収集した使用済み食用油を原材料とするバイオ燃料を導入することで、輸送手段の持続可能性を追求しています。SEJは「サーキュラーエコノミー」の一環として、効率的な物流体制を構築し、人手不足の解消と環境への配慮を同時に目指しています。特に、自動運転トラックにおける燃料効率の向上が期待されています。

実証実験は2025年12月1日から2026年4月まで、MRGの埼玉県の物流拠点から兵庫県の関西センターまでの一部区間で行われます。この試みにより、自動運転トラックによる長距離輸送の実現可能性や、配送に要する時間、運行オペレーションの有効性などが検証されます。

具体的な実施内容と役割

この実証実験において、各社が果たす役割は明確です。SEJは実証テーマの設定や商品の提供を担当し、MRGは物流拠点の提供や運行スケジュール管理に関わるオペレーションを担います。T2は自動運転トラックの提供を行い、走行データの収集や分析を行います。これにより、技術検証だけでなく実際の運用面でも新たな可能性を探ることができます。

また、今回輸送されるのは「セブンプレミアム」の常温商品で、傘やカップみそ汁、キッチンペーパーなどが含まれます。これらの商品の安定供給が、今年の実証実験でどのように行われるかが注目されます。

経済的課題への挑戦と未来展望

近年、高速道路を利用した長距離輸送の分野では穏やかな人手不足が懸念されています。SEJとMRG、T2の3社はこの課題に対して積極的にアプローチし、2027年度までにレベル4自動運転トラックによる幹線輸送サービスの実現を目指しています。自動運転技術は、物流業界の持続可能な進展に寄与し、さらなる効率向上を促進することが期待されています。

環境への配慮とサステナブルな未来

実証実験では、使用済み食用油から製造されたバイオ燃料が自動運転トラックの燃料として活用され、CO₂の排出削減に向けた取り組みが進められます。特に、ドライバーがトラックに乗り降りする「切替拠点」の設置が功を奏すれば、運転中の交換をスムーズに行うことができ、さらなる環境への配慮が実現される可能性があります。