新たな水産養殖の未来を切り開く!
新潟エリアでの水産資源の持続可能な調達が進行中です。株式会社FOOD & LIFE COMPANIES (F&LC)と株式会社拓洋の共同出資会社、株式会社マリンバースが2025年に初出荷を予定しているのは、ブリの人工種苗。このプロジェクトは、天然資源に依存せず、水産業の持続可能性を高めることを目指しています。
マリンバースの取り組みの背景
日本ではブリは人気のある魚種ですが、その養殖に関する課題は少なくありません。特に、天然の種苗に頼ることが主流であり、その供給は春から初夏に限られ、環境条件によって左右されがちです。また、近年の地球温暖化によって海洋環境が変化し、天然種苗の漁獲量の安定性も損なわれています。
そのため、マリンバースは完全養殖を実現するための研究を進め、2024年に人工種苗の生産テストに成功。そして、2025年からは本格的な販売が開始される予定です。この人工種苗は、夏の高水温期を乗り越え、成育が好調であることが確認されました。今後は、育ったブリが新たな種苗を生むことで、サステナブルな水産資源の循環を形成しようとしています。
養殖技術の進化
人工種苗は、養殖業者にとって画期的な選択肢です。現在、養殖された水産物は、飼育環境や飼料の管理を通じて、その味わいを調整可能です。これにより、消費者に安定した品質のブリを提供することができるのです。脂がのったおいしいブリを毎年安定的に供給できることが、マリンバースの利点の一つです。
マリンバースについて
2022年4月に設立されたマリンバースは、F&LCと拓洋の連携に基づいています。両者は、これまでにマダイやクロマグロの養殖技術をもつ企業であり、その経験を生かしたプロジェクトを進めています。目的は、限りある水産資源を持続可能にしながら、その調達を安定的に行うことです。
今後の展望
F&LCの運営する「スシロー」においても、2027年にはこの人工種苗から育ったブリの販売が見込まれています。持続可能な水産資源の供給は、自然環境の保護にも寄与するため、多くの期待が寄せられています。マリンバースは、このような新しい水産業のスタンダードを形成するため、今後も積極的な取り組みを続けていくでしょう。
私たちの未来の食卓に、美味しいブリがどのように提供されるのか、今から楽しみですね。マリンバースの挑戦が、全国の水産業界に新たな息吹をもたらすことを期待しています。