新潟での挑戦:書店を活用した情報リテラシー授業
新潟県新潟市で、若手人材育成に向けたユニークな取り組みが行われました。丸善CHIホールディングス株式会社が文部科学省委託事業「専修学校による地域産業中核的人材養成事業」の一環として、新潟会計ビジネス専門学校と連携しました。新潟県高等学校教育研究会の図書館部会との協力のもと、8月7日にジュンク堂書店新潟店で、情報リテラシーを高める授業「先生も、本屋で探究」という新たなプログラムを実施しました。
地域産業の人材育成への取り組み
近年、地域の若手人材が早期に離職する問題が深刻化しています。この事業は、高校から専門学校、さらに企業へのスムーズな移行を促進し、若者が地域の産業に定着できるよう支援することを目的にしています。各地域で専門学校、自治体、企業が協力し、実証や開発が進められており、16の地域で様々な産業分野に特化したプログラムが展開されています。
新潟県では、新潟会計ビジネス専門学校が中心となり、商業実務分野のキャリア教育プログラムを開発。調査の結果、進路検討時にインターネットを通じた偏った情報収集が入職時のミスマッチを招いていることが浮き彫りになりました。本離れがその一因とされ、授業を通じて信頼性のある情報を集める重要性を高校生に理解させることが目指されています。
書店での学びの場
「本屋で探究」の授業では、ほとんど書店に訪れたことがない学生たちに本屋の魅力を伝え、情報収集能力の向上を図ります。授業ではさまざまな書籍の情報価値や社会科学書の売り場利用法に関するグループワークを取り入れ、実務に関連する課題を解決するための本を見つけ出すことに挑戦しました。新発田商業高校など複数の高校と連携し、学生たちが積極的に情報を収集できる環境を整えています。学生たちは自ら選び出した本についてプレゼンテーションを行い、興味を持つことで表現力も高めています。
教員と生徒の協働
図書館部会の教員たちにも注目が集まっています。彼らは「生徒に本の良さを知ってもらいたい」との思いから集まり、研究や研修を行っています。このたびの取り組みでは、生徒に進路選択に役立つ情報を提供し、社会科学書の利用についてもグループワークを実施しました。また、教員自身が直面する課題解決のヒントとして、人文科学書の活用方法も紹介されています。
今後の展望
「就労意識醸成講座」は本や業界情報誌を活用し、読書の重要性を生徒に伝えています。実施した授業に対して約7割の受講生が「良い本の存在を知ることが重要だった」と感じています。若者の活字離れが問題視される中、本を読まないだけでなく知らないことがその原因となることも明確になりました。
この授業を通じて得た教訓を基に、今後は他県への展開も視野に入れたプログラムを進めていく考えです。新潟県の教育環境を活性化させ、若者の将来に希望を持たせる取り組みが期待されています。