チョウザメの新たな雌雄判定法と持続可能な養殖の未来
新潟県長岡市に本社を置く株式会社プラントフォームは、持続可能な食料生産システムの構築に向けて新たな成果を上げました。チョウザメの鱗に基づく雌雄判定が可能になったのです。この画期的な研究は、2025年3月26日から29日に開催される「令和7年度日本水産学会春季大会」で発表される予定です。
研究の背景
チョウザメはその高級食材「キャビア」で広く知られています。しかし、養殖においては雌雄の判別が非常に重要です。従来は「開腹法」という侵襲的な手法が用いられていましたが、この方法はチョウザメにとって大きなストレスとなり、作業者にも精神的・肉体的な負担を強いるものでした。プラントフォームは、これに代わる新しい雌雄判定技術の開発が急務であると認識し、研究を開始しました。
開発の経緯
同社はまず、性染色体に基づくDNA検査法を導入。この低侵襲な手法で、アニマルウェルフェアに配慮したチョウザメ養殖を推進しました。その結果、従来の雌雄判定法では難しかった大量検体の雌雄判別が可能になりました。さらに、独特の鱗の形状に雌雄差があるのではないかと推測し、その解析を開始しました。
研究の内容
アクアポニックスプラントで養殖されたコチョウザメを対象に、背中の硬鱗を撮影。撮影した画像を解析することで、鱗のサイズに関するデータを取得しました。得られた数値を基に複数の指標を作成し、雌雄差を分析した結果、統計的に有意な差を確認しました。更に、これらの指標を組み合わせることで、目視による判別も可能であることが確認されました。
今後の展望
この新たな技術により、非侵襲かつ効率的な雌雄判別が実現し、チョウザメの養殖に新しい光を当てることになります。今後はAIを利用した画像診断技術の開発を進め、さらなる判別精度の向上を目指します。株式会社プラントフォームは、安全で持続可能な農水産物生産モデルの実現に向けて、研究開発を続けていきます。
学会発表情報
この研究成果は「令和7年度日本水産学会春季大会」で発表されます。発表日時は2025年3月27日(木)13:15〜14:15、演者は株式会社プラントフォームの榎康明氏と加野北斗氏です。発表を通じて、この新たな雌雄判定法の詳細が明らかになるでしょう。
プラントフォームについて
プラントフォームは、植物工場型のアクアポニックスを導入し、持続可能な農水産物の生産を目指しています。全国に6つのプラントを展開し、安心して食べられる有機野菜やキャビアを提供しています。今後も研究開発を進め、社会に新たな価値を提供していくことに努めます。詳細は公式ウェブサイトをご覧ください。
公式ウェブサイト
株式会社プラントフォーム
新潟県長岡市上前島1丁目1863
代表者:山本祐二