2024年コンビニおにぎり人気ランキングから見える新たな需要とトレンド
2024年、一般社団法人おにぎり協会が行ったコンビニおにぎりの人気トレンドに関する調査結果が発表されました。調査対象は全国の主要コンビニエンスストアそれぞれで、データは2024年全般を通じて集計されています。
おにぎり市場の新たな波
この1年で特に注目されたのは、おにぎり市場で求められる「コストパフォーマンス」と「ボリューム」のニーズです。原材料の高騰を受けて、コンビニ各社は価格を抑えつつ、消費者に満足感を与える商品提供に力を入れています。例えば、セブン-イレブンでは「うれしい値!」を導入し、人気商品を手頃な価格で提供しました。また、ローソンは「盛りすぎチャレンジ」として、通常よりもボリューム満点なおにぎりを展開し、話題を呼びました。このように、安価でありながら満足感の得られる商品展開が、消費者から広く支持を集めています。
さらに、ファミリーマートでは低価格帯のおむすびに加え、リッチな食材を用いた高価格帯のおにぎりもヒットしました。このようにおにぎりの市場は「安価 vs リッチ」という両極化が進んでいるのが2024年の特徴といえるでしょう。
人気の具材とランキング
調査の中で特に注目された具材は、やはり定番の「ツナマヨネーズ」と「鮭」で、各コンビニのランキング上位を独占しています。ツナマヨネーズは全店舗で1位を獲得しており、年代を問わず幅広い支持を集めています。各社の価格帯にも違いがあり、たとえばミニストップでは手巻ツナマヨが118円で購入可能なのに対し、ファミリーマートでは155円〜157円と比較的高めの価格設定になっています。こうした価格設定の変化も、購買層の多様化が影響していると考えられます。
2024年コンビニ各社のおにぎり人気ランキング
1. 手巻おにぎり ツナマヨネーズ(128円)
2. 手巻おにぎり しゃけ(128円)
3. 手巻おにぎり 北海道産昆布(128円)
4. 熟成旨味仕立て 紀州南高梅(128円)
5. 赤飯おこわおむすび(140円)
1. 手巻おにぎり シーチキン®マヨネーズ(157円)
2. 和風シーチキン®マヨネーズ(157円)
3. 手巻おにぎり 北海道産日高昆布(140円)
4. 金しゃりおにぎり 焼さけハラミ(279円)
5. 手巻おにぎり 熟成紅鮭(192円)
1. 手巻シーチキンマヨネーズ(155円)
2. 直巻焼しゃけ(150円)
3. 直巻和風ツナマヨネーズ(138円)
4. 手巻紅しゃけ(180円)
5. ごちむすび 鮭はらみ(249円)
1.手巻ツナマヨネーズ(118.80円)
2.手巻紅鮭(151.20円)
3.手巻真昆布(135円)
4.手巻梅(135円)
5.手巻炙りたらこ(151.20円)
購買層の変化
購買層を分析すると、40代から50代の男性がメインの購買層であり、特に週末におにぎりを購入する傾向が強いことがわかります。セブン-イレブンではツナマヨやしゃけを好む層が顕著ですが、ファミリーマートでは40代女性の割合も目立ちます。
インバウンド需要の拡大
訪日外国人客が再び増加する中で、コンビニのおにぎりが彼らの間でも注目を集めています。日本の「おにぎり」は、海外では高価格とされていたため、300円で購入できるおにぎりは非常に割安に感じられるのです。これは、インバウンド需要の回復も相まって、全体の売上に好影響を及ぼしています。特に、ローソンの「日本おこめぐりシリーズ」は各地のブランド米を使用したおにぎりとして、多くの注目を浴びているようです。
新作おにぎりとトレンド
2024年には、ボリューム感や具材の充実を重視した新作おにぎりが登場しています。「具!おにぎり」や「サンドおむすび」など、新たなジャンルが人気を博し、市場に新風を吹き込んでいます。これにより、おにぎりの多様性が広がり、消費者の選択肢も増えています。特に今後の製品開発には、「コストパフォーマンス」の視点が重要視されることでしょう。
おにぎり協会の今後の動き
一般社団法人おにぎり協会は、この調査をもとにさらなるおにぎり文化の普及を目指し、各種活動を展開する予定です。今後も消費者ニーズに応じた新たな提案やトレンドの追求を通じて、日本の「おにぎり」の魅力を国内外に伝えていくことに注力する方針です。