新たな物流革命:コメリと日本通運の取り組み
新潟県のコメリ株式会社が、東京に本社を置く日本通運株式会社と提携し、国際輸送において一貫パレチゼーションを導入することが決定しました。この取り組みは、木製パレットの廃棄を削減し、作業効率を大幅に向上させることを目的としています。
物流業界の現状と課題
近年、物流業界は人手不足や長時間労働という深刻な課題に直面しています。この背景には、取引先が国内外での輸送を行う際、積み込みや荷下ろしにかかる肉体的負担が大きいため、作業効率化が急務であるという現実があります。そこで、コメリと日本通運は、この状況を打破するために、共同で一貫した物流仕組みの構築に着手しました。
一貫パレチゼーションの概要
この取り組みは、レンタルパレットという新しい物流ツールを利用した一貫パレチゼーションの実現に向けたものです。具体的には、以下の手順で行われます:
1.
輸出国側での準備:コメリが中国の拠点で、JPRからレンタルパレットを受け取り、商品をパレットに積み付けます。
2.
海上コンテナへの積込:パレットを使って効率よくコンテナに積みます。
3.
海上輸送
4.
ドレージとデバンニング:日本通運が入港後、荷物をコメリの物流センターに運ぶ際も、パレットを用いて作業時間を短縮。
5.
取引後のパレット管理:輸送後、使用済みのパレットはJPRに返却される仕組みです。
レンタルパレットの導入
一貫パレチゼーションの実現には、標準化されたパレットと、その共有システムが不可欠です。JPRは、企業がレンタルパレットを利用できるシステムを整え、パレットの使用を促進しています。この仕組みによって、荷役作業が大きく軽減されるのです。
環境への配慮
この新システムでは、従来の木製パレットを使用しなくなることで、年間約2万枚のパレット廃棄を削減することが期待されており、結果として170トンのCO2削減も実現されます。コメリの物流統括責任者である杉村氏は、環境配慮の重要性を強調し、今後も事業活動と環境保護の両立を目指していると語っています。
まとめ
コメリと日本通運の取り組みは、ただ単に効率化を図るだけではなく、持続可能な環境を守るための一歩となることでしょう。今後、この一貫パレチゼーションの考え方が他の企業にも広がり、業界全体の物流効率が向上することが期待されます。国際輸送現場での変革は、他のエリアにも波及する可能性を秘めており、注目されるべき進展でしょう。