新潟県での新たな森林管理の取り組み
2025年4月、新潟県の森林を守り育てる新たな法人「新潟・山のバトン」が設立されました。この法人は、植林や育林を専門とする「青葉組」を運営する株式会社GREEN FORESTERSを中心に、多くの林業事業者と自治体が連携し、森林管理の新たな形を模索するものです。
設立の背景と目的
新潟県では、戦後に植えられたスギの人工林が成長し、伐採の時期を迎えています。しかし、将来の管理方針が立てられないまま放置される森林が増加し、特に伐採後の再植林が行われていないことが多くなっています。これにより、水源の保全や生物多様性が損なわれる恐れがあることから、地域の林業事業者が協力し、「新潟・山のバトン」を設立しました。これは、森林所有者の金銭的負担をゼロにし、伐採から再植林、そして長期的な育林管理までを一手に行うという課題解決の取り組みです。
特徴
「新潟・山のバトン」にはいくつかの特筆すべき特徴があります。まず、森林所有者の負担を軽減するため、再造林は企業からの協賛金によって賄われます。これにより、地域の産業資源を最大限に活用し、経済的な負担を取り除く仕組みが構築されています。さらに、伐採から造林、育林まで一括して行うワンストップ体制を確立し、最長30年間の管理契約も可能なため、持続可能な森林利用が見込まれます。
加えて、新潟県村上市が森づくりパートナー会員として参画することで、自治体との連携が強化され、より効果的な森林管理が図られます。
会員構成
現時点での会員構成は以下の通りです。
- - 伐採会員:有限会社丸実、株式会社中嶋木材
- - 造林会員:株式会社GREEN FORESTERS(青葉組)
- - 森づくりパートナー会員:新潟県村上市
さらに、賛同する企業や自治体の新規会員を随時募集しています。地域の皆さんや企業が協力し合うことで、森林の再生が進むことに期待が高まります。
今後の展開
「新潟・山のバトン」では、今後年間30ヘクタール規模の再造林プロジェクトを推進していく予定です。また、J-クレジット制度を活用して森林由来のカーボンクレジットの創出にも取り組み、地域資源を活かしたエコツーリズムや教育プログラムなど新しい事業も展開します。この取り組みが地域にもたらす効果は計り知れません。
法人概要
- - 名称: 一般社団法人 新潟・山のバトン(旧名称:一般社団法人青葉組新潟団)
- - 代表理事: 中井 照大郎(株式会社GREEN FORESTERS) / 佐藤 剛(同上)
- - 所在地: 新潟県村上市大場沢3788-1
- - 設立日: 2025年4月24日
- - 事業内容: 森林の伐採・再造林・長期育林管理、カーボンクレジット創出、環境教育など
- - URL: 新潟・山のバトン
今後も、新潟県の森林管理の未来に期待が寄せられています。地域と協力しながら持続可能な森づくりを進めていく「新潟・山のバトン」の取り組みに注目です。