江戸時代から続く秘湯、川津屋の5代目後継者決定！地域の絆で事業承継を実現

伝統の温泉旅館、川津屋が新たな未来へ

新潟県津南町に位置する温泉旅館「川津屋」は、江戸時代末期から200年以上にわたり、この地で愛され続けています。逆巻温泉という名称で親しまれるこの宿は、源泉掛け流しの天然温泉を誇り、古くから多くの人々の癒しの場となってきました。特に「薬師の湯」と呼ばれるこの温泉は、旅人の傷を癒したり、心身をリフレッシュさせてきた歴史があります。

文化人との深い縁

川津屋の魅力はその温泉だけではありません。秋山郷の秘境とも呼ばれる自然豊かな環境は、かつて著名な小説家・吉川英治氏を魅了し、彼はここで「新・平家物語」を執筆しました。このように川津屋は、文人や文化人に愛される場所としても名を馳せてきました。

地域ぐるみの支援で承継が実現

川津屋は、4代目の吉野徹氏と早坂悠吾氏が、この素晴らしい宿の未来を見据え、事業承継を決断しました。それに伴い、津南町が運営する「新潟県津南町継業バンク」を活用し、後継者を募集。すると、そこに名乗り出たのが5代目の和田泰明氏です。このマッチング成功は、地域の協力体制のおかげで実現しました。

官民連携の力

津南町では、商工団体や金融機関と連携し、「津南町事業承継ネットワーク」を構築しています。この枠組みにより、事業承継の意向調査や事業者訪問が行われ、様々な支援がワンストップで提供されています。川津屋の後継者として和田氏を迎えることができた背景には、この地域の官民連携の強固さがあります。

新たな挑戦と未来への希望

和田氏は、「江戸時代から続く川津屋を継承できることを非常に幸せに感じている」とコメントを残しています。彼は、既存の魅力を守りながら、新たなサービスの導入にも意欲を示しており、地域の観光振興にも寄与していく考えです。

事業承継が持つ意義

「新潟県津南町継業バンク」は、地域の事業者と後継者を結びつける重要な役割を果たしています。2024年からはさらに多くの支援が期待されており、地域の小規模事業者が未来へとつながるための強力なフレームワークとなることが予想されます。この取り組みは、単なる事業の承継にとどまらず、それぞれの地域文化の保存や発展にも寄与するものです。