新たな仲間が加わったアドベンチャーワールドのカマイルカ
和歌山県白浜町にあるアドベンチャーワールドに、仲間の一員として新潟市水族館マリンピア日本海からカマイルカのオス一頭がやってきました。この新しい仲間は、今後の繁殖に向けた重要な役割を担っています。
仲間入りしたカマイルカ「ジャック」
新潟市水族館から移送されたこのカマイルカは、2019年7月29日生まれの「ジャック」と名付けられました。彼は現在、バックヤードのプールで過ごしており、施設内では8頭のカマイルカが生活していますが、オスは彼が2頭目となります。新たなオスの参加により、オス同士の関係が活性化し、繁殖行動の促進につながることが期待されています。
鯨類繁殖プロジェクトの取り組み
アドベンチャーワールドでは、2016年12月から鯨類繁殖プロジェクトに取り組んでおり、繁殖技術の向上を目指しています。鯨類の繁殖は流産や授乳不良などの課題が多く、その育成には難しさが伴います。このため、彼らの繁殖だけでなく、育成率の向上も目指しています。
過去の繁殖実績を見てみると、オキゴンドウは1981年から2022年までに10回出産し、1頭を育成。バンドウイルカは1984年から2024年までに68回の出産で21頭を育成してきました。また、カマイルカについても1981年から2023年の間に14回出産し、3頭を育成しています。これらの取り組みが動物たちの未来を支える一助となっています。
カマイルカの基本情報
カマイルカはクジラ目に属し、学名は「Lagenorhynchus obliquidens」です。この種は北太平洋の温帯および寒帯に生息し、主にサバを食べています。妊娠期間は約11~12か月で、通常は1回の出産で1頭を産みます。メスは約5歳から6歳、オスは8歳から10歳で性成熟を迎えると言われており、寿命は約40年です。
体色は背面が黒や灰色、腹面が白く、特徴的な模様が見られます。体長は180〜240cm、体重は100〜180kg程度です。
アドベンチャーワールドの思い
アドベンチャーワールドは「いのちを見つめ、問い続ける。いのちの美しさに気づく場所。」をテーマに、すべての生命に笑顔が溢れる豊かな未来を目指しています。動物たちのいのちが未来へ繋がる取り組みを続ける中で、自然と資源が循環し再生する地球の姿を visionとして掲げています。
SDGsへの貢献
また、アドベンチャーワールドは持続可能な開発目標(SDGs)にも積極的に取り組んでおり、2030年を目指して社会が抱える問題に対する解決策を模索しています。新たに加わったカマイルカ「ジャック」とともに、未来の地球に向けた取り組みを着実に進めていく姿勢は、多くの人々に希望を与えています。
今後のジャックの成長と、アドベンチャーワールドの挑戦から目が離せません。