津南醸造の挑戦
2025-07-09 15:03:25

新潟の津南醸造が挑む、日本酒アップサイクルプロジェクトの全貌

日本酒を革新する、津南醸造の新プロジェクト



新潟県津南町に拠点を構える津南醸造株式会社が、2025年7月から「日本酒アップサイクルプロジェクト」を始動します。このプロジェクトは、伝統の日本酒製造から生まれる副産物である酒粕を活用し、持続可能な社会を目指す研究開発の一環です。日本酒とサステナビリティの関係を深め、地域の資源を最大限に生かすことを目的としています。

酒粕の可能性



酒粕は日本酒の製造過程で生じる副産物で、栄養価が高く、さまざまな機能が期待されています。しかし、従来の食品用途だけでは、その全てを有効に活用するのは難しいのが実情です。津南醸造は、これまでにもFARM8と協力して植物性発酵ヨーグルト「醸グルト」への酒粕提供を行い、その利用方法を模索してきました。この経験をもとに、さらに新たな活用法を見出すことを目指しています。

進化する日本酒の副産物利用



日本酒アップサイクルプロジェクトでは、より広範な分野での「酒の再活用」を推進します。以下の3つの開発テーマを通じて、異なる分野の研究者や企業とのパートナーシップを育んでいく計画です。

1. 酒粕由来の半導体材料の開発



酒粕が持つ有機成分を、新たに炭素素材として変換し、導電性や環境に優しい半導体への応用を探ります。この研究により、酒粕の新たな資源としての可能性を広げることを目指します。

2. 日本酒由来ナノ粒子「SAKESOME」の応用研究



日本酒に含まれる微細な成分を、ナノ粒子レベルで分離し、化粧品や食品、農業資材としての利用を目指しています。この研究は大学との共同研究も視野に入れた重要なプロジェクトです。

3. 酒製造由来素材の細胞培養食品原料開発



日本酒製造で生じる副産物を活用して、細胞培養食品の原料としての可能性を探ります。持続可能なタンパク源を確保する新しいアプローチを提供することが期待されています。

地域発の循環型イノベーション



本プロジェクトを通じ、津南の自然資源と長年の発酵技術を活かした循環経済への新しい提案を行います。「酒づくり」の枠を超えて、食、ビューティー、環境、バイオなど多様な分野への展開が期待され、津南醸造の挑戦は今後も続きます。

津南醸造は今後も企業や研究機関、自治体と連携し、社会的価値の創出に努めていきます。持続可能な未来を見据えたこのプロジェクトに、ぜひ注目していただきたいです。

津南醸造の歩み



津南醸造株式会社は、新潟県中魚沼郡津南町に位置する酒蔵で、豪雪地帯ならではの自然環境を活かした日本酒の製造を行っています。天然水を仕込み水として使用し、地元産の「五百万石」や「魚沼産コシヒカリ」を用いた酒造りが特徴です。ブランドコンセプト「Brew for Future〜共生する未来を醸造する〜」のもと、地域とともに歩んでいます。2025年には「越後流酒造技術選手権大会」で新潟県知事賞を受賞するなど、高い評価を得ています。


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