津南醸造が参加した伝統的酒造りシンポジウム
2025年6月8日、東京大学本郷キャンパスで催された「伝統的酒造りシンポジウム@東大」に、津南醸造株式会社が参加しました。津南醸造は新潟県中魚沼郡津南町に位置する酒蔵で、豪雪地帯の豊かな自然環境を活かした日本酒の製造を行っています。今回のシンポジウムは、東京大学の卒業生や関係者が運営する「東大蔵元会」と東京大学農学生命科学研究科の共同主催により実施され、全国から16の蔵元が参加しました。
第一部:酒造りと麹菌
シンポジウムの第一部では、「酒造りと麹菌」をテーマに、著名な講演者による基調講演が行われました。元ユネスコ大使で酒サムライの門司健次郎氏をはじめ、日本醸造学会の会長、北本勝ひこ名誉教授、東京大学の丸山潤一教授がそれぞれの視点で酒造りについて話をしました。特に、伝統的な酒造りの重要性や改良技術についての議論が交わされ、参会者たちも熱心に耳を傾けていました。
過去の歴史や文化が合わさった日本酒造りの魅力と、未来への挑戦を感じることのできる時間となりました。この討論を通じて、伝承された技術が新しい姿で生き続けるために必要な視点が明らかにされました。
第二部:利き酒会
続く第二部では、「16蔵元利き酒会」が開催され、参加者は各蔵元の日本酒を試飲する貴重な機会を持ちました。このセッションでは、参加者が自らの言葉で酒造りにまつわる思いや、各蔵元が持つ哲学について語ることができる場となりました。津南醸造も自社の銘柄を提案し、地域の特色を活かした独自の酒造りのプロセスについて紹介しました。
特に津南の清らかな雪解け水を使用し、酒米や酵母の管理にこだわる点が話題となりました。津南醸造が誇る銘柄の一つ、『郷(GO)GRANDCLASS 魚沼コシヒカリEdition』は魚沼産のコシヒカリを低温で熟成、KuraMaster2024金賞を受賞した優秀な酒です。また、『つなん 白 純米大吟醸』は令和6年の越後流酒造技術選手権大会にて新潟県知事賞を獲得しました。さらには、原料に魚沼産のコシヒカリを使い、ワイン樽での熟成に挑戦した意欲的な銘柄『GO LUNAR』も注目を集めました。
新たな可能性を模索する酒造り
今回のシンポジウムは、日本の伝統的な酒造りと現代の技術が交錯する理解を深める場として機能しました。津南醸造は、伝統を重んじながらも新たな挑戦を追求し続け、中国の文化を尊重した酒造りを推進しています。シンポジウムでの経験を通じて、津南醸造のさらなる成長と発展が期待されます。
「16蔵元利き酒会」とねじれのある議論は、日本酒の新たな未来を切り拓く一助となるでしょう。今後も津南醸造が織り成す物語から目が離せません。日本酒愛好者はもちろん、これから日本酒を体験したいと考える方々にも、津南醸造の魅力をお伝えする機会を大切にしていきたいと思います。